Shiko Shiko (シコシコ) Japan Tour 2016


彼らのことを初めて知ったのは、結構前になりますが…。昨年の夏に、今回の新しいアルバムのリリースするオファーを頂いていたこともあり何となく親近感もあり、また自身がリリースしているバンドとも知り合いも多く、気になっていましたが…、しかし、そのころMuntiy on the Bountyなどのリリースやツアーなので、殆ど気に留めることなかったのですか…。2ヵ月前ぐらいにinstitut francaisの方から彼らの来日を知って驚きました。すべて、彼ら自身でツアーを計画して会場をブッキングしたそうです。おまけに殆ど日本語が話せないと言う状況で、ここまでして日本でツアーをやりたいと言う気持ちに少し動かされました。僕自身、海外からバンドを招聘しているだけに、彼らが直面するであろう、いろいろな文化や習慣の違い、そして問題なども出てくると思いますが、多くの人にライブを観てもらうことが彼らにとっても今回のツアーが良い思い出になると思います。僕も出来る限り協力をしています。(ツアーにも何日か付き添いする予定ですが…)
まずは、彼らを知ってもらうためにインタビューをしましたので読んでください。
ここまでに、日本に想いを寄せて、自分たちだけでツアー実行をするバンドはそうはいません。
ライブ会場では、気軽に話かけて欲しいと思ってます。


君たちのアルバム聴いたよ!ホントに最高なアルバムだった!2015年最高峰のマスロックだったよ。前作よりずっと好きだったね。作るのに苦労したかい?

Akerushi (drums) ― 本当にありがとう。でも2015年最高のマスロックだって?それはわからないよ、だってLightning Bolt超えられないし、それだけは間違い無いさ。
ファーストアルバムは既存の曲と新曲のコンピレーションみたいなものだった。でもこのセカンドアルバムは、ほとんど全ての曲が 同じ年に一から作り上げていった楽曲なんだ。楽曲に統一感があるのもそれが理由だよ。僕らは物語を語るような、それをそっくりそのまま聴いてもらえるよう な、一つのアルバムを本当に作りたかったんだ。

Gilles (vocals/synth)  ― めちゃくちゃ大変だったね、間違いないよ。このアルバムが生まれるまでの道のりは遠かったよ。

JC (bass)  ― うーん、自分は数ヶ月前にバンドに加入したから他のメンバーほど話せることはないんだけど、”Gloomy part 1”のバックコーラスを録るのは大変だったね!

Yamaneko (guitar)  ― それはホントマジで。俺はJCにこの曲を歌ってくれって電話で頼んだんだけどさ。こんな風に言ったかな。「それ、明日出来る?」って。

2. 今回のアルバム、Maké Makéってどういう意味?アルバムのテーマは?

Akerushi ― 『Maké Maké』っていうのはイースター島の神、人間の身体に鳥の頭を持った神のことを指しているんだ。このアルバムは、宇宙空間における人間とバードマンの間で起きた戦争について描いた作品になっているんだ。

Yamaneko ― だけど、それは多くの異なった話を描いていて、戦争の中における人と人との間の愛や、愛の中における人と人との戦争などを語っているのさ。

3. 前作よりずっとエレクトロ感が強まってるよね。僕はThree Trapped Tigersとか思い浮かべたけど、このアルバムを作るのに影響を受けたバンドはいる?

Akerushi ― ここ数年、僕は多くのドローンミュージックやエクスペリメンタル・エレクトロミュージックを聴いてきたんだ。例えばOneohtrix point neverMountainsFenneszEmeralds…とかね。 だからこの作品は自分が受けたいくつかの影響で形作られているんだと思うよ。ちなみに僕たちはJean Michel Jarreの大ファンでね、新譜のシンセが使われている部分についてはそれで説明出来ると思うよ。それから昨年僕は脳みそをトロけさせてくれるようないく つかの新しいクラウトバンドに出会っていてね、君にDALIDA(https://moncul.bandcamp.com/album/st-7)VI!VI!VI! (https://vivivi1.bandcamp.com/)を聴くことをオススメするよ。

Yamaneko ― 俺はミックス中は沢山Matmosのアルバムを聴くんだ。たぶん音の質感の修正についてや、電子音の加え方とかは影響を受 けてると思うね。だけど、俺はいつもエレクトロやエクスペリメンタルミュージックを好んでいるから、自分らの作品の中にそういった面が見出せるっていうの は自然な事だと思うぜ。

Gilles ― 僕らは沢山の異なるジャンルの楽曲を聴いてきたんだ。僕らが特別他より好きな曲があるのかもよく分かってないし、ぼんやりとした疑問だなと思ってるよ。
Yamaneko ― “Weimar 1900”の一部なんてJean-Michel Jarreに敬意を表するような楽曲だよ。俺らは彼のアルバム「Oxygen」みたいな作品にしたかったんだ。俺らに与えた影響は計り知れないよ。
4. 一番好きな曲はどの曲?

JC  ― “Fiduciary Finale””Maké Maké”かな。

Akerushi ― ”Maké Maké”だね、終わりを〆る10分もの長い楽曲さ。それは一つのチャレンジだった。

Gilles ― 自分は一番静かで叙情的な“Fiduciary Finale”かな。

Yamaneko ― “Fiduciary Finale”かな、今まで書いた曲の中でも良い方だし。勿論”Maké Mak锓Weimar 1900”も沢山のアレンジを加えまくったし、気に入ってるよ。

5. 日本ツアーのことを聞いてびっくりしたよ!このツアーはいつ決めたの?

Akerushi ― 日本でツアーをする、これこそがバンド結成の目的だったんだ。ツアーは一年前から計画してたけど、実際に会場と連絡を取り始めたのは半年前かな。

Gilles  ― 『『日本愛してる!!!!』』という意味の雄叫びを上げている

6. Shiko Shikoって名前の由来は?どういう意味?

Akerushi ― 音が面白いし、覚えやすいよね。意味は日本人の方が分かるんじゃない?「イイコトしようぜ!」って。笑

7. 君たちのジャンルは何?マスロックなの?

Akerushi ― マスロックの影響があることは確かだよ。BATTLES1stEPで初めてこのジャンルを見つけたんだけど、何が起きて いるのか自分の耳が信じられなかったよ。実験性とダンサンブルさが同時に展開されているんだ。そのあとは多くのマスロックを聴き漁ったよ (Don Caballero, Piglet, Giraffes?Giraffes!, Faraquet, Hey!Tonal...) 。といっても最近はあまり聴かないけどね。既に頭の中の特別な場所にしまってあるんだ。

Yamaneko ― よく言うんだけど、俺たちはたくさんのノイズとトライバルさ、エレクトロの影響を山ほど受けてるだけの、ごく普通のポップロックだよ。JC  ― 自分は他の皆よりポップな奴だよ。ブラーとかピクシーズとかエリオット・スミスとか好きだしね。自分の中ではBATTLESに始まりBATTLESに終わる。あとは名前を思い出せないけどいくつかのバンドかな。Gilles ― 僕はいろんな音楽を聴くよ。例えば『ギャングスタヒップホップ』とかね。音楽に関わるイデオロギーが大っ嫌いなんだ。Yamaneko ― 俺はヒップホップを書くのが好きかな。だって面白いしね。あと真面目な話、俺らは自分達のことをマスロックバンドだと思ってないんだ。確かに色んなマスロックの影響を受けてるけど、Don CaballeroAmerican Footballみたいじゃないだろ?

8. Fecking Bahamasのコンピに参加してくれてありがとう!フランスはマスロックが盛り上がってると思うんだけど、どうだい?勿論Electric ElectricJean Jeanは大好きだよ。

Yamaneko ― このトラックリストはヤバイね。俺らもこのリストの多くのバンドとライブしてきたよ。Jean JeanSeal of QualityQuadrupedeとかね。フランスには良いバンドがたくさんいるよ。勿論マスロックに限らずね。

Akerushi ― Electric Electricは自分が見てきた中でも最高のライブアクトのひとつだね。フランスは最高なインディバンドが沢山いるんだけど、ライブハウスはあまり彼ら をブッキングしたがらないんだ。例えば、大半のメインストリームのライブハウスは、4年前リリースされたElectric Electric"Discipline"とともにマスロックに気づいたのさ。

9. 最近のマスロックシーンについてどう思う?

Akerushi ― 現行のマスロックシーンのいくつかのことは、自分にとっても耳が痛いことだけれど、バンドたちは深刻すぎるし、どこに面白味があるんだい?多くのバンドは 同じ音じゃないか。多くのマスロックバンドから同じギターリフ、同じドラムパターンを聴くことが出来るよ。ジャズみたいに、何がマスロックで何がマスロッ クじゃないのか、(指標となるような)スタンダードを作りたい人たちもいるみたいだけどね。

Gilles ― よりオープンで、退屈なのも減って、良い感じじゃないかな。

Yamaneko ―  2つの異なる意見が出たな()

10. 日本のマスロックバンドを知ってる?

Akerushi ― 日本のマスロックは最高だよ。NUITO - Unutella (今まで聴いた中でも最高の作品のひとつ), Ruins, LITE, Toe... だけど、僕らが好きなのはマスロックだけじゃないよ。 例えばBoredoms (最高のバンドだね), OOIOO、にせんねんもんだい, Polysics, 久石譲, Taiko music, Koji Kondo... いくつかのスペシャルな日本のアーティストを挙げたけど、君が聴いたら(仮に初めて聴いたとしても)日本のアーティストだってすぐに分かるはずさ。

JC  ― 悲しいことに少ししか知らないんだ。マスロックじゃないけどPolysicsGuitar Vader、髭とかね(髭は最高だね!)。

Gilles ― LITEだけかな。

Yamaneko ―  toeさ!あとFecking Bahamasのおかげだけどヨソハヨソも!彼らのライブも観たいね!あとArekusiと同じく沢山のバンドが好きさ。例えばMelt Banana(お気に入り!)、Guitar VaderDir en greyMad Capsule MarketNobuo UematsuMotoi Sakuraba...

11. 日本には今まで来たことある?今回どこに行きたい?

Akerushi ―  2年前の夏休みに友達と行ったよ。クレイジーな人々と浴びるように酒を飲んだよ。今度のツアーは大阪難波Mele331日からスタートするんだ。
JC  ― 一度もないね。だから興奮してるよ!特に京都で美しいものを見つけたいと思ってるよ、一年でこの時が一番美しいって聞いてるからね。
Gilles ―  初めてだよ、色々見たいな。
Yamaneko ―  一度もないな。子供の頃からの夢だったんだ!東京、大阪、京都と滞在するけど、最高にワクワクするね!

12. 日本のファン、まだ君たちを知らない人達にメッセージをちょうだい!!

Akerushi ―  最高のお好み焼きが食べられるレストランを紹介してくれ!サンクス!

JC  ― 日本の皆と会って話せたら最高だよ。

Gilles ― 永遠の友達になれるよ!簡単さ、いつでも君たちを愛してるからね!

Yamaneko ― そうさ、愛してる!


Interview & translation by Tak Yamamoto


<Shiko Shiko Japan Tour 2016>

3月31日 (木) 大阪 難波 Mele
4月1日 (金) 奈良 Neverland
4月2日 (土) 京都 Mojo
4月4日 (月) 大阪 Conpass
4月5日 (火) 横浜 FAD
4月6日 (水) 千葉 Live House Anga
4月7日 (木) 東京 青山 月見ル君想フ
4月8日 (金) 東京 三軒茶屋 Heaven's Door


<プロフィール>
伝説によると、ある日バードマン(鳥男)は、惑星地球に来て卵を産み落とした。卵は孵化し、ヒトが生まれた。”彼”は昼も夜も、ひたすら子を生み出していった。この物語は更に進んでいく。1582年には、ヤマザキという町(未来のキョート)の近くでテンノー山の戦いが起き、そして1976年、ジャン・ミシェル・ジャールの最初のLP「Oxygène」 がリリースされたのだ。不運な偶然の一致だろうか?もちろん違う。シコシコは2番目のLP「Maké Maké」でこれらの出来事(嘘か真か)に敬意を表した。この「Maké Maké」というタイトルも、あの半人半鳥の奇妙な神より名付けられたとてもクールなものだったのだ。一部では真実としても学ぶだろうか、ニーチェの死の真実について(この真実は未だに語られていない)、終わりなき戦争にも関わらずお互い愛し合った二人の男について、(フランス、ドゥルージュの小さい町の近くにあるA1の)プレート組版マルチモーダルデルタ3が構築されていく話について…そして、大人も子供も変わらず楽しませてくれる、その他多くの物語について・・・。それほどの大変な作品を完成させたのだ、大阪(Boredoms)、ボルチモア(Dan Deacon、Matmos、Dope Body、Animal Collective)とストラスブール(Electric Electric)に神聖なる大三角のシグナルを発見することによって・・・。素晴らしい英国感と、VSTで入手出来る高価すぎるアナログ・シンセについては言うまでもない。シコシコは馬に跨がり、フランス、そしてヨーロッパ(アイスランド、スロベニア、イタリア、ドイツ、イギリス)の大小様々な会場ーーーバーや地下、刑務所、および老人ホームで150を超えるギグをこなしてきた。彼らは、今だ彼らの足の踏み入れていない未開の地を支配したいと思っている。新しい友とのパーティを求め。ちなみに彼らシコシコがスウィートで、イケてる男たちだという話も聞いているが・・・。